「三鬼舞」
三鬼舞

 赤頭に赤、黒、青の鬼面をつけ、それぞれ同色の襦袢に裁着を穿き、上に錦地の半切を着て、赤鬼は松明、黒鬼は斧、青鬼は金棒を持ち、横一列に並ぶと一回跳び上がり、左足を踏み出しながら採物を左方に三回突き上げる。そしてもう一回跳び上がると、今度は右足を踏み出しながら右方に三回突き上げ、再び跳び上がつて左方に三回突く。
 これが終ると松明を持った赤鬼を先頭に左側の階段から薬師堂を降り、堂の裏側を廻って、右側の階段を昇り前同様に突き上げをして、再び階段を降り突き上げをした後、三匹の鬼が集って耳打ちをし、赤鬼が松明を照して護摩餅に近寄ると、青鬼が護摩火を焚く三神猿を金棒で追い払い、黒鬼が斧で護摩餅を切る真似をしてから小脇に抱えて持ち去る。
 この護摩餅の表面には方角と十二支、側面には一二か月が墨記されていて、焼け具合によって月々の方位吉凶を占う。

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